本記事では、ベアリングの『脱脂(だっし)』のやり方と効果を解説します。
買ったばかりのベアリングは、グリスが封入されているのであまり回りません。
『脱脂』という方法を使えば、ベアリング内部に封入されたグリスを取り除くことができ、ベアリングの回転数が劇的に向上します。
では、まいります。
目次
ベアリングの脱脂による効果とは?
ベアリングを脱脂することで、ベアリング内部に封入されたグリスを洗い流すことができます。
その結果、ベアリングが回転するときの摩擦を劇的に軽減させることができ、回転がとてもスムーズになります。
軸受けのベアリングを脱脂すれば、駆動の回転抵抗を抑えることで速度の向上に繋がり、ローラーのベアリングを脱脂すれば、ローラーがスムーズに回転するようになりコーナーリングスピードの向上が期待できます。
ベアリングを脱脂するために必要なもの。
ベアリングを脱脂するために必要なものは、以下の2つです。
パーツクリーナーの代わりに灯油やジッポオイルを使うこともできますが、それらの中には不純物が入っているという話もあるため、本記事ではパーツクリーナーの使用を推奨します。
ボトルは蓋がしっかり閉まるものであれば何でも構いませんが、タミヤのスペアボトルが使いやすくておすすめです。
なお、ローラーのベアリングを脱脂する場合は、ローラーの中心に搭載されている520ベアリングを取り外す必要があります。
そのときに必要になるアイテムがこちら。
ここからは、脱脂のやり方を順を追って解説します。
ベアリングを脱脂する手順。
ベアリングを脱しする手順は、以下の3つです。
-
手順①スペアボトルにパーツクリーナーを吹き入れる。
-
手順②スペアボトルを振ってベアリング内部のグリスを洗い出す。
-
手順③ティッシュとピンセットで乾燥させる。
それぞれ、詳しく解説します。
【手順①】スペアボトルにパーツクリーナーを吹き入れる。
ベアリングを脱脂するには、スペアボトルなどの小瓶にパーツクリーナーを吹き入れます。
パーツクリーナーは揮発性が高いため、スペアボトルに入れたあと、1分程度時間を置いてから蓋をしてください。
すぐに蓋を閉めてしまうと、揮発してボトル内の圧力が高まり、蓋を開けるときに危険が生じます。
【手順②】スペアボトルを振ってベアリング内部のグリスを洗い出す。
パーツクリーナーを吹き入れたスペアボトルにベアリングを入れます。
蓋をしてからスペアボトルを振ることで、ベアリング内部に封入されたグリスを洗い流します。
パーツクリーナーが汚れているのが分かります。
これが、ベアリング内部に封入されていたグリスです。
【手順③】ティッシュとピンセットで乾燥させる。
脱脂をしたら、ティッシュの上で乾燥させましょう。
その後、ピンセットなどにベアリングを取り付けてから指で弾くことで、ベアリング内部に残ったパーツクリーナを飛ばします。
以上で、ベアリングの脱脂が完了です。
まとめ
脱脂に使うパーツクリーナーは可燃性のガスなので、換気をしっかりして火気には特に注意しながら、自己責任で行ってください。
軸受けやローラーなどに使われるベアリングは、脱脂をすることで回転がスムーズになります。
ベアリングを脱脂するだけでマシンの速度が向上するので、ぜひチャレンジしてみてください。