ファーストトライパーツセットで改造の基本が理解できたら、次はマシンを速くする方法を理解しましょう。
速いマシンを作るために必要なこととは、どうすればマシンが速くなるのかを知ることです。
本記事では、速いマシンを作るための秘訣を紹介します。
これを読めば、素組みのマシンを一段階レベルアップさせる方法が分かります。
目次
速いマシンを作るための秘訣
ミニ四駆の速さとは、一体何でしょうか?
一概に『速さ』と言っても、加速や最高速度、コーナーを抜ける速度などが挙げられます。
レースで勝つには、全ての領域においてバランス良く速さを求めることが必要になります。
そこには、マシンのセッティングからコースレイアウトを含め、様々な要因が複雑に絡み合っています。
ミニ四駆の速さを決める要因は多々あり、もちろんコースレイアウトによっても変わってきます。
ただ、その中でも、マシンの速さを決める基本となると言っても過言ではないことが以下の3つです。
- モーターと電池からなる動力源(パワーソース)
- ギヤを中心とした駆動
- ローラーの回転抵抗
それぞれ、詳しく解説します。
【速さの基本①】モーターと電池からなる動力源(パワーソース)
速さを提議する中で一つだけ言えることは、マシンの最高速度はモーターと電池で決まるということ。
どれだけ良いパーツを付けても、モーターと電池で構成された動力源で出せる最高速度を超えることはありません。
ここを伸ばさない限り、マシンのスピードを上げることはできません。
逆に言えば、モーターと電池次第で、ミニ四駆の最高速度を上げることができるのです。
中でもモーターは、電気を動力に変えるために最も大切なパーツ。
モーターのパワーを上げることが、マシンのスピードアップにとって一番簡単な方法です。
モーターと電池でスピードを上げて、ローラーなどのパーツでコースアウトを防ぐ。
これこそが、ミニ四駆の改造の基本中の基本です。
【速さの基本②】ギヤを中心とした駆動
ミニ四駆の最高速度は、モーターと電池からなる動力源で決まることは理解できたと思います。
次に速さの基本となることが、駆動です。
如何にパワーを上げても、そのパワーをしっかりタイヤまで伝えなければ、マシンは速く走りません。
そこで、動力源からタイヤまでのパワーを伝える役目を担うのが、主にギヤで構成される駆動です。
駆動のロスを極力減らすことで、動力源からのパワーを最大限に発揮できるのです。
【速さの基本③】ローラーの回転抵抗
動力源と駆動という、ミニ四駆の速さを構成する部分のパワーロスを極力減らすことができたら、あとはマシンを走らせるだけ。
コースを走らせる中で、ストレートではマシンの最高速度までどんどん加速していきます。
でも、ミニ四駆は真っ直ぐ走るだけではありません。
ストレートの先に、コーナーが待ち構えています。
マシンのスピードがどれだけ速くなっていても、コーナーで減速することは回避できません。
そこで大切になるのが、ローラーの回転抵抗です。
ミニ四駆がコーナーを走るときは、ローラーをガイドとしてドリフトしているように走ります。
コース壁に対してローラーが回転することで、マシンを支えながら走行しています。
そのときに、ローラーの回転がスムーズであれば、最小限の減速でコーナーを抜けられます。
しかし、ローラーがスムーズに回転しないとどうなるでしょうか?
マシンを支えているローラーが綺麗に回転せず、ブレーキをかけてしまうのです。
どれだけ最高速度を上げたマシンでも、ローラーがブレーキをかけてしまっては、コーナーで大きく減速してしまいます。
だからこそ、ローラーの回転抵抗を抑えることが、コーナースピードの向上に繋がります。
ミニ四駆初心者が最初にやるべき3つの改造
マシンの速度を決める3つの基本を紹介しました。
以上のことをベースにして、ズバリ速いマシンを作るために最初にやるべき改造は、以下の3つです。
- モーターを変える
- 軸受けにベアリングを使う
- ベアリングローラーを付ける
この3つを変えるだけでも、マシンの速度は大幅にアップします。
それぞれ、詳しく解説します。
【最初にやるべき改造①】モーターを変えよう!
ミニ四駆初心者が最初にやるべき改造の1つ目は、マシンに搭載するモーターを変えること。
速さを決めるうえで、最も基本となるのがモーターです。
キット付属のノーマルモーターは、性能的にはとても低いので、ノーマルモーターを他のモーターに変えるだけで、速度は飛躍的にアップします。
おすすめは、トルクチューンモーターです。
両軸、片軸ともに用意されているモーターで、MAシャーシなどの両軸マシンならトルクチューン2モーターPRO、片軸マシンならトルクチューン2モーターを使いましょう。
『ダッシュ系のモーターじゃないの?』と言われるかもしれませんが、初心者の方にはチューン系のモーターをおすすめします。
もちろん、パワーのあるモーターを使うことが、マシンの速度を上げるうえで最も手っ取り早い方法です。
でも、あえてダッシュ系のモーターではなく、チューン系のモーターをおすすめすることには、理由があります。
なぜなら、ダッシュ系のモーターはパワーがありすぎるので、コースアウトする確率がとても高くなるからです。
パワーのあるマシンをコースアウトしないように制御しようとすると、多くのパーツが必要になり、その分コストも掛かります。
そのため、パーツが少ない初心者のうちは、まずはチューン系モーターを使ってマシンを速くしていきましょう。
チューン系モーターと言っても、パワーが全くない訳ではありません。
作り方やコースアウト次第では、チューン系のモーターで、ダッシュ系のモーターを搭載したマシンに勝つこともよくあります。
チューン系モーターは、初心者の方におすすめなモーターでありつつも、レーサーの実力が問われるモーターとも言えるでしょう。
だからこそ、まずはチューン系のモーターで、マシンを一段階速くしてみることをおすすめします。
【最初にやるべき改造②】軸受けをベアリングに変えよう!
ミニ四駆初心者が最初にやるべき改造の2つ目は、軸受けをベアリングに変えるということです。
シャーシの軸受けには、カウンターギヤの軸受けと、ドライブシャフトの軸受けの2種類があります。
最近のキットでは、低摩擦樹脂の軸受けが入っていますが、これをベアリングの軸受けに変えましょう!
ベアリングの中には小さなボールが入っていて、摩擦を減らす役割があります。
軸受けは、軸が回転した摩擦を直接受けるパーツなので、軸受けの摩擦を減らすことが駆動ロスを防ぎ、マシンの速度アップに繋がります。
なお、シャーシや軸受けの場所により、使えるベアリングが決まっています。
MAシャーシのカウンターギヤには、520ベアリングを使います。
MAシャーシのドライブシャフトの軸受けには、620ベアリングを使います。
軸受けにベアリングを使って駆動ロスを減らし、マシンの速度アップを図りましょう。
【最初にやるべき改造③】ローラーを変えよう!
ミニ四駆初心者が最初にやるべき改造の3つ目は、ローラーをベアリングローラーに変えるということです。
前述したとおり、ミニ四駆はローラーをガイドにしながらコーナーを走ります。
そのとき、ローラーがスムーズに回転しないとコーナーで減速してしまいます。
キット付属のローラーは低摩擦樹脂製で、コースとの摩擦は少ないですが、ローラー自体はビスでシャーシに留めているので、ローラー自体の回転はスムーズとは言えません。
そこで登場するのが、ベアリングを内蔵したローラーです。
ローラーの中心部にベアリングを搭載することで、ローラー自体の回転をスムーズにさせます。
さらに、ベアリングローラーはほとんどがアルミ製の素材でできています。
このアルミ製のローラーがコースをしっかり捉え、高速域でのコーナーリングを実現します。
ローラーにはたくさんの種類があり、どれを選べば良いのか迷ってしまうと思います。
おすすめは、フロントに2段アルミベアリングローラー、リヤに19mmアルミベアリングローラーを使うセッティングです。
2段アルミベアリングローラーは、上下で径の違うローラーが1つになったローラーです。
コーナーでマシンが傾いたときに上のローラーでマシンを支え、コースアウトを防ぎます。
リヤは、19mmアルミベアリングローラーを2段使いましょう。
ローラーの取り付け方次第で、コーナーでの安定性も変わります。
まずは、ローラーの王道セッティングである『お宝セッティング』と呼ばれる方法で取り付けることをおすすめします。
お宝セッティングは、コーナーでマシンが傾いたときにフロント、リヤのローラーでマシンを支えられる、効率の良いセッティング方法です。
ベアリングの回転を劇的にスムーズにするマル秘テク
最後に、軸受けやローラーにベアリングを使ううえで、より回転抵抗を減らせるテクニックを紹介します。
新品のベアリングは、内部に腐食を防ぐためのグリスが封入されています。
ベアリングを長持ちさせるために効果を発揮するグリスですが、実はそのグリスが、ベアリングの回転を妨げる原因になります。
軸受けはもちろん、ローラーに使われているベアリングもグリスが抵抗になってしまい、スムーズな回転を妨げます。
すると、グリスが原因でローラーがスムーズに回転せず、コーナーでブレーキがかかり、速度が大幅にダウンします。
そこで、ベアリングに封入されているグリスを洗い流す『脱脂』というテクニックが存在します。
脱脂のやり方については、こちらの記事にまとめています。
ベアリングを脱脂するだけでマシンの速度が向上するので、ぜひチャレンジしてみてください。