何をするにも、本質を理解することはとても大切なことです。
本質を理解するからこそ、現状の問題点や目指すべき目標、今やらなければならないことが明確になります。
では、ミニ四駆における本質とは何でしょう。
ミニ四駆は、組立てて、改造し、走らせるというプロセスを踏みます。その中で特に重要になることは、ミニ四駆を改造するということです。
改造においても、単なる自己満足のために改造するのと、ミニ四駆のレースで勝つために改造するのとでは、目標やプロセスも大きく異なります。
その中でも、レースで勝つという目標を掲げるのであれば、まずはミニ四駆における改造の本質を理解するべきです。本質を理解せずにミニ四駆を改造しても、闇雲にパーツを取り付けるだけの無意味な改造になってしまいます。
本質を理解していれば、自分のミニ四駆には何が足りないのか、何をすべきなのかという目的を明確に出来ます。そして、目的を明確にすることで、目標達成までのプロセスを最短にすることが出来ます。
最近では、リバイバルブームにより社会人レーサーが多くなってきていますが、社会人レーサーは家庭、子育て、仕事など時間に対する制約が多く、ミニ四駆に割ける時間を捻出することに苦労します。そこで、目標達成まで最短のプロセスを踏めるか否かが、のちに大きな差となって現れます。
今回は、ミニ四駆の改造における本質を知ることで、最短で目標を達成出来るプロセスを構築出来る考え方を身につけられるようにします。
目次
ミニ四駆を改造する目的
まずは、ミニ四駆を改造する目的を明確にしましょう。
皆さんはなぜ、ミニ四駆を改造するのでしょうか。
- もっと速いマシン、誰にも負けないマシンを作りたい。
- レースで1番になりたい。
- ジャパンカップで優勝したい。
理由は人それぞれ違いますが、共通して言えることは、「速いミニ四駆を作りたい」ということです。
ミニ四駆では速さを競い合うために、公式大会や店舗大会が開催されています。もっと掘り下げると、公式レギュレーションや専用のコースがあります。
決められたルールの中で、いかに他の人より速いマシンを作るか。その試行錯誤がミニ四駆の楽しみであり、奥深さでもあります。
そのような、皆が同じ条件で競い合えるルールがあることを踏まえ、ミニ四駆を改造する目的を考えると以下のようになります。
「公式レギュレーションにて決められた範囲内で、最も速いマシンを作る」
速いマシンの定義とは?最高速度なのかコースタイムなのか。
まずはミニ四駆を改造する目的が明確になりました。次は、その目的にある「速いマシン」を定義します。
一概に「速いマシン」といっても、最高速度を上げることを目的としているのか、コースタイムを縮めることを目的としているのかにより、目的が変わります。
前述のとおり、ミニ四駆ではレースが楽しみの1つであり、誰しもがレースで勝ちたいと考えています。誰よりも速いミニ四駆を作りたいと考えれば、他者と競うレースで勝つということが目的となります。
ここで間違えてはいけないのが、最高速度を上げればコースタイムも縮めることが出来るのではないかという、安易な考え方を持つことです。
単に最高速度だけが速くても、コースを走らせる速さを求める以上、安定性がなければコースアウトしてしまいます。誰よりも速く走っていたとしても、コースアウトしてしまえば、負けです。
ここで「レース」について考えてみましょう。
レースの捉え方
単にレースというと、競い合うことをイメージしますが、レースの捉え方をもっと明確にすると、以下のように考えられます。
「いかに速くスタート地点に戻ってこれるか」
これがレースにおいて、1番重要となります。レースとは、ゴールするマシンの中で1番速いマシンを決めているのです。
レースでは、加速、最高速、安定性、消費電力など、様々な要素が複雑に絡んでいます。単に、最高速度というレースの中における勝敗を分ける要因の1つだけに目を向けていては、まぐれで勝つことは出来ても、常勝するという強いマシンの作成には至れないでしょう。
速いマシンの定義とは?
以上のことから、速いマシンを定義すると、
「誰よりも速いコースタイムを叩き出せるミニ四駆」となります。
これを速いマシンを作るという観点から更に言い換えると、
「最高速度を落とさず、コースアウトしないギリギリの安定性を持ったセッティングを叩き出す」
ということになります。
ミニ四駆の最高速度を決める要素とは?
ミニ四駆は、改造することで速さを向上させていると考えがちです。自分も、昔はそのように考えていました。
しかし、実際のところ、ミニ四駆の最高速度は単純なことで決まってしまいます。
それは、モーターと電池です。
ミニ四駆の最高速度は、モーターと電池の性能で決まります。モーターと電池で回転数が決まり、そこからギヤ比とタイヤの直径から、最高速度が算出出来ます。
とても単純なことですが、とても大切なことでもあります。
ミニ四駆はいくらパーツを付けても、モーターと電池で決まっている最高速度以上の速度にはなりません。ミニ四駆はタイヤを回転させて走らせますが、その回転の力を生み出すパーツは、モーターと電池の2つだけです。
モーターと電池だけが全てなのか
では、ミニ四駆はモーターと電池だけが全てなのかというと、もちろんそれだけではありません。
モーターと電池で決まる最高速度をベースに、どのように改造していくのかが重要になります。
そのために、まずは自分のマシンが出せる最高速度を知ることから始める必要があります。最高速度を知ったうえで、色々なパーツを選択し、どのように安定性を向上させるかを考える必要があります。
次は、なぜミニ四駆にパーツを取り付けるのかを考察します。
パーツを取り付ける理由
ミニ四駆には沢山のパーツがあります。それを色々な選択肢により取り付けることで、マシンに個性を出せます。
では、何のためにパーツを取り付けるのでしょうか。
それは、以下のように考えられます。
「コースで走らせた際に安定性を向上させ、コースアウトしないようにするため」
コースには様々なレイアウトがあり、パーツを付けずにミニ四駆を走らせても、直ぐにコースアウトしてしまいます。そのため、パーツを取り付けて安定性を向上させることで、コースアウトを防ぎます。
パーツの役割、本質について
ここで一番大切なことは、改造するためのパーツがミニ四駆の速度に対して、プラスに作用するのか、マイナスに作用するのかを明確にすることです。
前述のとおり、ミニ四駆の速度に対してプラスに作用するのは、モーターと電池だけです。その他のパーツは、あくまで速度に対してマイナスにしか作用しません。
言い換えると、パーツを取り付けることで、モーターと電池で決められた最高速度を犠牲にし、安定性を向上させているということです。
まとめ
- 改造とは、公式レギュレーションにて決められた範囲内で、最も速いマシンを作ること。
- レースでは、いかに速くスタート地点に戻ってこれるかが大切。
- ミニ四駆の最高速度は、モーターと電池の性能で決まる。
- ミニ四駆の速度に対してプラスに作用するのは、モーターと電池だけ。その他のパーツは、あくまで速度に対してマイナスにしか作用しない。
- パーツを取り付けることで、モーターと電池で決められた最高速度を犠牲にし、安定性を向上させる。
今回は、「本質」について考察してみました。
まずは、ミニ四駆の改造とは何をすることかを明確にしました。そのうえで、それぞれのパーツの役割を考え、最大限に活かすことが、速いマシンを作るために必要です。
ミニ四駆は、闇雲にパーツを付けただけでは到底速いマシンは作れません。1つ1つのパーツに対し、何のために付けたのか、なぜこれを選んだのかという明確な答えを持つことが大切です。
何事も、とことん深くまで考えてみることで、そのものの本質を知ることが出来ます。
本質を知るということは、ミニ四駆に限らず、仕事などにおいてもとても大切なことです。
本質を捉えていれば、やるべきことが明確になりますが、本質を捉えられていないと、何もかもブレて結局何がしたいのかが分からなくなってしまいます。
色々なことに対して深く考える癖をつければ、自ずと目標が明確になります。そして、その目標達成に必要な手段も見えてきます。
そこから、最短で目標を達成出来るプロセスを構築していきましょう。