ミニ四駆の電池を育成するための充放電器において、これまで最強とも言える座を築いていたのが、X4 Advanced 2でした。
そのX4 Advanced 2に2018年10月、遂に後継機が登場しました。その名も「X4 Advanced 3(X4 アドバンス スリー)」です!
電池慣らしのやり方が分からない方や、どの充放電器を買えば良いのか迷っている方も、X4 Advanced 3を買えば間違いないと言えるアイテムです。
X4 Advanaced 3を使えば、電池のポテンシャルを最大限に引き出せます。
普通に充電するよりもパワーやパンチ力のある電池に仕上がるので、加速や最高速度が伸びて、これまでよりもタイムを縮められる電池を作れます。
ミニ四駆の電池育成において、これ以上のものはないと言っても過言ではないアイテムです。
今回は、前機種のX4 Advanced 2と比較してどのような点が変わったか、性能はどうなったかなど、X4 Advanced 3を徹底レビューします!
※充放電器の使用は、扱い方を誤ると危険が生じます。必ず、説明書に沿った使用をするとともに、使用については個人の判断でお願いします。万が一、使用中に事故が生じた場合も、当サイトでは一切の責任を負いません。
目次
そもそも電池慣らしとは?
レビューの前に、そもそも電池慣らしって何?という方に、電池慣らしが必要な理由を少し説明します。
ミニ四駆をやっている方ならば、「電池慣らし」や「電池の育成」という言葉を聞いたことはあるかと思います。電池慣らしや電池の育成とは、電池のパワーを最大限に引き出すためのブレークインのようなものです。
ミニ四駆ではモーターをブレークインするように、電池にもブレークインが必要なのです。そして、電池を慣らすために必要なのが、今回紹介するX4 Advanaced 3である「充放電器」と呼ばれるものです。
充放電器は、最低限の機能として、充電・放電ができます。充電池というのは、継ぎ足し充電をすると性能が低下していきます。そのため、充電だけでなく、放電もしなければならないのです。
X4 Advanced 3には、これらの機能以外にも、充放電時間の設定やアンペア設定など、充放電をする際に細かく設定をできるのです。
それらの機能を駆使することで、普通の充電器では得られないようなパワーやパンチ力を持った電池に仕上げることができるのです。これが、電池を慣らす最大の理由です。
ミニ四駆以外にも、ラジコンなどの世界においても電池の慣らしや育成は行われています。電池に一瞬のパンチ力が必要なときなど、使い方は様々です。
ちなみに、ミニ四駆の最高速度は、極論で言えばモーターと電池で決まってしまいます。どれだけ良いパーツをたくさんつけたり、徹底的に軽量化をしたりしても、モーターと電池で決まってしまう回転数を超えることはありません。
たまに、同じモーターなのに速度が桁違いに速いマシンを見たことがないでしょうか?速いマシンは、モーターの慣らし方の差もありますが、それだけではありません。如何に電池を上手く慣らしたかによって、桁違いな速度になっているのです。
以上のように、電池はミニ四駆の速度を決定づける重要なアイテムだと分かります。そのため、電池慣らしをマスターすれば、より速いマシンを作ることができるのです。
そこで、その電池慣らしに最適なアイテムが、X4 Advanced 3なのです。
X4 Advanced 3の特徴まとめ
最新機種の「X4 Advanced 3」の特徴をまとめました。なお、カッコ書きの数値は前機種「X4 Advanced 2」の数値です。
- 最大2.6Aの充電電流
- 放電電流がMax 2.0Aにアップ(1.0A)
- Δピークの設定値をMax 30mVを拡大(15mV)
- 0.5Vまでの放電でメモリー効果を完全除去
- リフレッシュ&ブレークイン機能を搭載
- スマホアプリと連携して充電状況をリアルタイムで確認できる
前機種と比べても、それぞれの設定数値の幅が増えていることが分かります。
数値で紹介しても、結局どうなるのかが分かりづらいので、それぞれ細かく見ていきましょう。
最大2.6Aの充電電流
充電電流とは、その名の通り充電時の電流です。これは、充電時間に影響します。なお、充電池の充電時間は、電池容量と充電電流から計算できます。
例えば、容量1000mAh(1Ah)の電池があるとします。この電池を充電電流1Aで充電すれば、約1時間で充電が完了します。これを「1C充電」と呼びます。
充電電流が2Aならば「2C充電」となり、約30分で充電が完了します。
なお、ネオチャンプの容量は950mAhですので、X4 Advanced 3のMax電流である2.6Aで充電すれば、約22分で充電が完了する計算です。
放電電流がMax 2.0Aにアップ(1.0A)
前述した充電電流と同じ考え方です。
前機種では放電電圧が1.0Aでしたが、X4 Advanced 3では2.0Aと、2倍の放電電圧になりました。
これにより、放電時間を縮めることができるので、より電池を管理しやすくなります。
Δピークの設定値をMax 30mVを拡大(15mV)
充電器は、充電する時間にある程度比例して電圧が上がっていきます。さらに、満充電に近づくと充電電圧は急増しますが、満充電に至ると降下します。
この波形を図で表し、満充電のときを頂点とし、そこから降下する波形をΔ(デルタ)ピークと呼びます。
そのΔピークを設定できる機能が備わっています。これは満充電で自動的に充電を停止できる機能であり、充電を終える最適なタイミングを見つけることができます。
電池の性能を最大限に発揮できるタイミングで充電を終えられるため、電池のパンチ力を上げることができます。
0.5Vまでの放電でメモリー効果を完全除去
放電時には、放電終止電圧と呼ばれる値があります。これは、電圧がその値以下になると、放電を終了するという値です。
X4 Advanaced 3では、この値を0.5Vまで下げることができます。放電終止電圧を0.5Vまで下げられることで得られる効果は、放電するときの電池残量を限りなくゼロに近づけられることです。
充電池は特性として、メモリー効果と呼ばれる現象が発生します。メモリー効果とは、充電池に残量がまだあるにも関わらず充電をしてしまうことで発生します。簡単に説明すると、充電を開始したときの残量を電池が記憶してしまい、結果として電池容量が減るという現象です。
放電をせずに、繰り返し充電して使っている電池は、新品の頃と比べると容量が減っているのです。
これが、0.5Vまで放電することで、電池をほとんどカラの状態にできます。それにより、メモリー効果を除去することができるのです。
なお、X4 Advanced 3では、放電終了電圧を下2桁(例:0.50V)まで表示可能となりました。
リフレッシュ&ブレークイン機能を搭載
リフレッシュ&ブレークイン機能とは、電池を充放電することです。これまで使っていた電池を充放電することでメモリー効果をリセットし、電池をベストコンディションにできます。
スマホアプリと連携してできること
X4 Advanced 3には専用のスマホアプリがあり、Bluetoothで自分のスマホと連携できます。スマホを使えば、充電状況をリアルタイムで確認できたり、細かい数値の設定をしたりすることができます。
なお、スマホアプリでできることは以下のとおりです。
- 充電状況をリアルタイムで確認できる。
- バッテリーのデータをスマートフォンに保存可能。
- バッテリーのパフォーマンスを測定できる各種機能を搭載。
- スマートフォンからデルタピークの設定が可能。
スマホと連携する使うことで、より細かな設定ができ、さらにその設定を記録できるため、電池の管理がとても簡単になります。
その他の機能
これまで紹介したもの以外にも、X4 Advanced 3には様々な機能が備わっています。
- 単三/単四Ni-Cd、Ni-MH電池を混在で4本同時に充放電可能。
- USB出力ポートがあり、スマートフォンやタブレットなどの充電にも対応。
- クーリングFANにより、本体の冷却時間を短縮。
- 本体の大型液晶ディスプレイにより、各バッテリーの電圧などが表示され、状態を確認しながらの充放電が可能。
ミニ四駆以外の用途として、単4電池や、スマホ、タブレットの充電までできるため、日常生活にもかなり役立ちます。
まとめ
X4 Advanaced 3の性能を理解して頂けましたでしょうか?これほどまでに、ミニ四駆の電池に特化した充放電器はないと言っても過言ではありません。
「上級者がレースに勝つ為の究極レベル迄の充電が可能に」というキャッチコピーからも、レースで勝つために必要なシビアな電池育成を可能としています。
これを機に、X4 Advanced 3で電池育成をして、より速いマシンに仕上げてみてはいかがでしょうか。
前機種のX4 Advanced 2はこちら。価格が安くなっています。