前回の記事で、縮みタイヤの形とグリップ力について書きました。
ミニ四駆考察記~3 「タイヤのグリップ力と形の関係性について」
今回は、引き続きグリップ力に関する話として、「タイヤのグリップ力が、スロープなどのジャンプでの飛び方にどう影響を与えるのか」を考察してみます。
目次
スロープ、ジャンプでミニ四駆を低く飛ばす方法。
先ずは、ミニ四駆が立体コースを走る際に減速する要因について考えてみます。
ミニ四駆に復帰してから、今の主流なコースが立体コースであることが分かりました。
立体コースを走らせていく中で、一番重点を置くセッティングとしては、「ジャンプで低く飛ぶ」ことと、「着地時に跳ねない」こと、この2点であると思います。
前回も書きましたが、立体コースではミニ四駆の再加速がとても重要になります。
フラットコースでのコーナー、LCでの減速よりも、立体コースでのジャンプ時の減速のほうが、遥かにタイムに対する影響が大きいです。
なぜ立体コースでの減速が大きいかと言えば、以下の3つの要因が考えられます。
- ミニ四駆がスロープのジャンプで高く飛んでいる。
- ミニ四駆が真っ直ぐ飛んでいない。
- ジャンプ後の着地でミニ四駆が跳ねる。
それぞれ、詳しく解説します。
①ミニ四駆がスロープのジャンプで高く飛んでいる。
ジャンプ時は、ミニ四駆は少なからず、ジャンプ手前の登りで減速しています。
ジャンプ中は減速したままとなるため、飛距離が長いと、必然的に減速したままの速度を保っています。
ということは、ミニ四駆を低くジャンプさせて、すぐ着地することで再加速までの時間を縮めたほうが、速く走ることが出来ます。
②ミニ四駆が真っ直ぐ飛んでいない。
2つ目として、ミニ四駆がコースに対して真っ直ぐ飛ばないことで、コースの壁などにぶつかることが、減速の要因として考えられます。
これは、ミニ四駆の横幅とコース幅に関係があります。
ミニ四駆の最大幅は105mmですが、公式コースの幅は115mmであり、10mmしか余裕がありません。
その10mmも、ミニ四駆の左右の猶予で考えれば、5mmずつしかなく、少しでも曲がって飛んでしまうとコースの壁にぶつかったり、コースに乗り上げることは容易に想像出来ます。
これが2つ目の減速の要因です。
③ジャンプ後の着地でミニ四駆が跳ねる。
3つ目の要因は、ジャンプ後の着地にあります。
スロープなどの進入時、既に減速しているミニ四駆を、ジャンプ後にいかに早く再加速が出来るかが、立体コース攻略の鍵です。
そこで、着地がビタッと決まらずにマシンが暴れていたら、再加速するまでにも時間が掛かってしまいます。
これが3つ目の要因としてあげられます。
以上の3つ目の要因から、立体コースを速く走るためには、「いかにジャンプで低く飛び、且つ再加速に素早く持っていけるか」ということになります。
タイヤのグリップ力が、ジャンプ時の姿勢に与える影響。
1つ目の要因として挙げた、「ミニ四駆がジャンプで高く飛ぶ」ということについて、色々と対策はあるかと思いますが、その中でもタイヤのグリップ力による変動について考察します。
先ずは、スロープでのジャンプ時に、ミニ四駆はどのように動くか細かく分析してみます。
- ミニ四駆がスロープを登り始める。
- スロープの頂点で、前輪が先にスロープから飛び出す。
- その後、後輪が飛び出す。
これら、ミニ四駆の動きとしては一瞬の動きとなりますが、この中にジャンプ時に低く飛ぶための対策が隠れています。
それは、2番目と3番目の前輪と後輪の飛び出しのタイムラグです。
前輪が先に飛び出し、その後に後輪が飛び出すということは、一瞬だけ、後輪のみのグリップでマシンをスロープから押し出すことになります。
この、「後輪のみグリップして、スロープから飛び出す」という、一瞬だけ2点接地になるところが、スロープで低く飛ぶ秘訣だと考えます。
これら、スロープでのジャンプ時の動きを頭に入れつつ、タイヤのグリップ力が、ジャンプ時の姿勢にどのような影響を与えるかを考えます。
以下のとおり、グリップ力の違うタイヤを履いたミニ四駆、3パターンについて考えてみます。
- 前輪+後輪とも、グリップ力の高いタイヤ。
- 後輪のみ、グリップ力の高いタイヤ。
- 前輪のみ、グリップ力の高いタイヤ。
「前輪+後輪とも、グリップ力の高いタイヤ」
これについては、4輪でグリップを効かせつつスロープを駆け上るため、スロープを登る速度は一番速いです。
そして、ジャンプ時に後輪だけの2輪接地になったとき、グリップ力が高いため、しっかりと速度を保ったままスロープを飛び出します。
ということは、スロープで飛び出す際に、ミニ四駆を押し出す力も高いため、ジャンプが高く、遠くに飛びます。
「後輪のみ、グリップ力の高いタイヤ」
これは、前輪のグリップが低いことから、スロープから飛び出す際の力が少なく、若干の前傾姿勢になります。
そして、後輪だけの2点接地になったときは、グリップ力があるため、スロープからミニ四駆を押し出す力は強いため、飛距離については①とほとんど同等程度かと思われます。
「前輪のみ、グリップ力の高いタイヤ」
これは、前輪のみグリップ力が高く、前輪がミニ四駆を引っ張ることで、スロープを駆け上る力は強くなります。
そして、スロープから飛び出す際の2点接地になった瞬間、後輪のグリップ力が低いため、ミニ四駆を押し出す力は低くなります。
これが一番大事なポイントです!
ミニ四駆を押し出す力が低いということは、ジャンプの飛距離が伸びず、結果、低い姿勢でジャンプが出来るということです。
まとめ
- 立体コースを速く走るためには、スロープなどのジャンプを低く飛ぶことが重要。
- ミニ四駆をスロープで低く飛ばすために、タイヤのグリップ力も影響する。
- 後輪のみ、グリップ力の低いタイヤを履くと、スロープでのジャンプ時に押し出す力が弱くなり、結果としてジャンプの姿勢が低くなる。
以上、如何でしたでしょうか。
立体コースを攻略するためには、タイヤのグリップ力以外にも、沢山の要因が重なっていることは承知しています。
しかし、それぞれの要因が、結果にどのような影響を与えるかを紐解いてみることで、対策を講じる手段を増やすことが出来ると考えています。
これが、皆さんのセッティングの1つの手段となれば幸いです。
では、今回はこの辺で。
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