駆動を調整しているときに、『なんとなく速くなったかな?』という感覚に頼っている方。
人間の感覚は毎日変わるので、当てになりません。
ミニ四駆の最高速度を測るとき、多くの方がスピードチェッカーを使っていると思います。
スピードチェッカーで計測した最高速度は、駆動系のロスやタイヤとチェッカーの摩擦などが反映された実測値です。
単にマシンの最高速度を知りたいとき、スピードチェッカーを使えば簡単に計測できますが、これだけでは駆動や摩擦の影響でどれだけのロスが発生しているのかは分かりません。
そこで、より正確にロスを把握するための方法が、理論値と実測値を比較するという方法です。
『計算上で求められる理論値』と、『スピードチェッカーの実測値』を比較することで、マシンにどのくらいのロスが発生しているのかを、数値で捉えることができます。
本記事では、フォームに数値を入力するだけで、理論上の最高速度を求められる計算式を用意しました。
ここで紹介する計算式とスピードチェッカーを使って理論値と実測値を比較すれば、駆動系にどれだけのロスが生じているのかが数値として可視化できます。
駆動系を作り込むときに、ぜひお役立てください。
目次
最高速度の理論値を求めるために必要な数値
マシンの理論上の最高速度は、以下の項目を使って求めることができます。
- モーターの回転数(r/min)
- ギヤ比
- タイヤ径(mm)
モーターの回転数は、『Giri』というアプリを使って計測できます。
スマホでモーターの回転音を拾って回転数を計測できる優れものです。
Giri -The RPM Checker-
Natural Style Co. Ltd.無料posted withアプリーチ
タイヤ径は、デジタルノギスで正確に計測しましょう。
これらの数値をもとに理論上の最高速度を求める計算式を作成しました。
理論上の最高速度を求める(入力フォームはこちら)
以下のフォームにモーターの回転数、ギヤ比、タイヤ径を入力するだけで、理論上の最高速度を計算できます。
理論値と実測値をもとに駆動系のロスを数値化する
例えば、計算式を利用して求めた理論値が42km/hで、スピードチェッカーで計測した実測値が39km/hのマシンがあるとします。
理論値と実測値の差は3km/h。
この3km/hの差が、駆動系に生じているロスです。
駆動を作り込む目的は、ロスを減らすことにあります。
そのため、駆動を作り込む際は、実測値をいかに理論値に近づけていけるかがポイントとなります。
理論値と実測値の差が限りなくゼロに近づけば近づくほど、駆動のロスがないということ。
曖昧な感覚だけに頼らず、理論値と実測値を比較して、いかにロスをゼロに近づけることができるか。
これこそが、駆動を作り込むうえで最も大切なことです。
まとめ
理論値と実測値も、あくまで単純にマシンの最高速度を求めたものです。
コースを走るときは、マシンとコースの間に生じる様々な要因が複雑に絡み合うため、数値がそのまま速さに反映されるとは限りません。
しかし、駆動系を作り込むときに、理論値と実測値を比較してロスを数字化することが、駆動を調整した結果を把握するために役立ちます。
皆さんも、ぜひこの計算式とスピードチェッカーを活用して、駆動系のロスを減らすことに挑戦してみてください。