最速のミニ四駆を目指すレーサーに向けて必要なことを、複数回に分けて紹介していきます。最速のミニ四駆を作りたい、最速のマシンで勝ちたいというからには、それなりの覚悟が必要です。
ミニ四駆は、安易に勝てるおもちゃではありません。
ここでは、「本気で」ミニ四駆を楽しみたいレーサーに向けて、道しるべとなったり、気づきを得られたりするような内容を書いていきます。
最速のミニ四駆を目指すレーサー。
これからミニ四駆を始める初心者レーサー。
改造しても速くならないと行き詰まっているレーサー。
ミニ四駆を本気で楽しんでいる方へ、最速のミニ四駆を作るために少しのお手伝いが出来れば幸いです。
目次
ミニ四駆とは、「世界最小のモータースポーツ」である
ミニ四駆とは、世界最小のモータースポーツといわれ、資金調達からマシンの開発、組み立て、改造、ピット作業まで、全てを一人でマネージします。
自分はオーナーであり総監督であり、そしてレーサーでもあります。どれか一つのスキルが欠けても、レースで勝つことは出来ません。
ミニ四駆は、結果に至るまでの全ての過程に、全力を尽くして取り組まなければ勝つことは出来ない、正にレースの世界です。
「ホビー」の枠を超え、「カルチャー」として成立している所以がそこにあります。
ミニ四駆は、誰もが楽しめるものでありながら、ハマればとことんハマれる中毒性もあります。
そんなミニ四駆を、もっと多くの人に気付いてもらい、見てもらい、知ってもらい、初めてもらうことが、これからのミニ四駆の進化に必要なことだと感じます。
是非、友達も一緒に誘って、最速のミニ四駆を目指しましょう!
まずはミニ四駆を選ぼう
初めは、ボディデザインで好きなマシンを選ぶのが良いですが、種類が多くて迷ってしまいます。そこで、ミニ四駆を選ぶ際に、搭載しているシャーシを基準として選ぶことをおすすめします。
シャーシにも多くの種類がありますが、その中でもおすすめなのは、最新のFM-Aシャーシです。おすすめする理由は、シャーシの強度、しなり、駆動効率が高い次元でバランス良くまとまっていて、初心者にはとても扱いやすいからです。
そして、上級編で紹介するような改造にも、他のシャーシに比べて簡単に対応することが出来ることも、理由のひとつです。
そのほかのシャーシでは、MAシャーシもバランスが良く、おすすめです。MAシャーシは両軸モーターを採用しています。両軸モーターはMAシャーシとMSシャーシのみ対応しており、そのほかのシャーシには使用出来ないため、注意が必要です。
シャーシを絞り込めたら、次にボディ選びです。ボディはミニ四駆の見た目に直結するため、一番カッコいいものを選びましょう!
※ここで紹介したシャーシ以外でも、もちろん大丈夫です。実際に、レースで活躍しているマシンのシャーシは千差万別です。ただし、初心者の方には、説明書通りに作ったときの素組みの速さと改造のしやすさを重視し、上記のシャーシをおすすめしています。
説明書を熟読しよう
ミニ四駆を組み立てる前に、まずは説明書を熟読し、完成までの全体観を捉えることが大切です。
ミニ四駆には細かいパーツや似ているパーツが多くあります。パーツを間違えて取り付けてしまっては、真の効果を発揮出来ません。それどころか、無理矢理はめ込んでしまい、パーツが変形することもあります。
このようなことがミニ四駆の速度低下を招いてしまうため、じっくり、丁寧に作ることが速いマシンを作る基本となります。
ミニ四駆を作るために必要なもの
ミニ四駆を作るには、キットと合わせて以下の工具と電池が必要です。
工具について
- ニッパー
- カッター
- ヤスリ
最低限、上記の工具が必要になります。
ここでおすすめなのは、タミヤから発売されている工具セットです。
このツールセットには、以下の6点が入っています。
- ニッパー
- カッター
- 平ヤスリ
- ピンセット
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
これ一つで、ミニ四駆作りに最低限必要な工具一式が揃います。
以下は、工具あるあるです。
・工具を一つずつ買い足していたら、結局セットを買ったほうが安かった。
・一つずつ買い足していくと、工具の種類や形が揃わないので、綺麗に収納出来ない。
このツールセットは、最低限必要な工具がコンパクトにまとめられています。そのため、個別に買うよりお得で、かつ、工具を探す手間や収納にも困らないため、結果として作業効率もアップします。
作業効率を考えることは、ミニ四駆を長くやるうえでとても重要です。
今はこれらの工具もダイソーなどの百均で購入出来ますので、無理に工具にお金をかける必要はありません。
ただし、工具の精度や使いやすさは求めたほうが良いです。実際に、プラスドライバーひとつにしても、金額によって精度は変わります。安いドライバーだと、ビス山がなめる率が高いです。
そして、グリップの大きさも重要です。グリップが大きいほうが締め付ける力が伝わるため、作業中のストレスをかなり軽減出来ます。
例えば、短いビスなら問題ありませんが、シャーシに貫通させるくらい長いビスを取り付けようとすると、かなりの力が必要になります。
これを小さいドライバーでやろうとすると、全くビスが入りませんが、グリップが大きいドライバーを使うと軽く取り付けられます。
参考までに、タミヤからドライバーの上位版も発売されています。加工精度、耐久性はもちろんのこと、ビットが着磁タイプで、ビスを吸着して使用出来ます。
電池について
キットには電池が付属していないため、単三電池が必要です。そこでおすすめの電池を紹介します。
- パワーチャンプRS
タミヤのミニ四駆公認競技会で使用可能なアルカリ電池です。パワーは申し分なく、レースで信頼のおける電池です。
- ネオチャンプ(おすすめ!)
速いミニ四駆には、電池のパワーが必要です。ミニ四駆の最高速は、モーターと電池で決まります。
アルカリ電池とニッケル水素電池を比べると、新品でのパワーはアルカリ電池が勝りますが、すぐにパワーが低下します。その点、ニッケル水素電池はパワーの低下がなだらかで、且つ繰り返し充電出来ます。
初期投資はかかりますが、アルカリ電池を買い続けるより確実に経済的です。
そして、将来的にはニッケル水素電池を育成するという方法があります。電池を育成することで、よりパワーのある電池に仕上げることも出来ます。
そのためにも、ニッケル水素電池を複数用意しておくと良いでしょう。
ミニ四駆を作るときの注意点
マシンが決まり、工具と電池の準備が出来たら、実際にミニ四駆を作ってみましょう。
ボディやパーツをランナーから切り取るときには、ニッパーを使います。そのとき注意することは、ニッパーで切るときはランナーを少し残して切るということです。
ランナーのギリギリを切ってしまうと、切ったときにパーツがえぐられてしまうことがあります。そのため、ランナーを少し残して切り、カッターで残ったランナーを切り取ります。そのうえで、平ヤスリを使って整えると、綺麗に仕上がります。
パーツひとつを切り取るだけでも、ニッパー、カッター、ヤスリを使うため、時間がかかります。しかし、最速のミニ四駆を目指しているからこそ、この作業を疎かにしないでもらいたいです。
ここで大切なことは、「丁寧に作る」ということです。
ミニ四駆は、丁寧に作ったほうが速いと言われていますが、これは事実です。なぜなら、ミニ四駆とはとても精密で、少しの誤差がとても大きなロスを生んでしまいます。
キットを説明書どおりに組み立てた素組みの状態でも、丁寧に作ったマシンは速いです。
この、「丁寧に作る」ということは、誰でも出来る当たり前のことですが、当たり前のことを当たり前にすることがいかに重要なことかを、ミニ四駆を通じて学ぶことが出来ます。
実際に、素組みのマシンを組み立て始めてから走らせるまでに、2時間くらいは時間をかけています。それだけ丁寧に、気を遣って組み立てることが、速いマシンのベースを作るうえで必要になります。
まとめ
- 初心者におすすめのシャーシは、FM-AシャーシとMAシャーシ。
- 工具は高いほうが精度が良く、作業時のストレスも少ない。
- 電池はネオチャンプが経済的。将来的に育成用として使える。
- じっくり、丁寧に作ったマシンは速い。
今回は、準備編としてミニ四駆を組み立てるまでに必要なことをまとめました。
最低限の準備ではありますが、ミニ四駆を組み立てるうえで大切なことを盛り込んでいます。これらの基礎がしっかり出来ていなければ、最速のマシンは到底作れません。
これまでミニ四駆を作ってきている方は、自らの作業を見直す機会として、これから始める初心者の方は、この基礎をしっかり守り、最速のマシンを目指していきましょう。
→準備編が完璧になったレーサーは、初級編にGO!!