コラム

大会上位入賞マシンにATピボットが採用される理由を考察

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近年のマシンは、ATピボットが主流となりつつあります。大会上位入賞者のマシンを見てみると、ATピボットを搭載したマシンを良く見かけます。

これは、タミヤ公式大会のコースレイアウトを考慮した結果とも言えます。

今回は、なぜATピボットが主流なのか、それにはどのような効果があるのかを考察してみます。

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目次

タミヤ公式大会に出場するマシンにATピボットが多く採用される理由

近年のタミヤ公式大会でATピボットが多く採用されています。その理由は、以下の2つです。

  • 立体コースでの復帰率を向上させる。
  • 公式大会特有の段差をスルーする。

ATピボットが採用される理由はこの2つですが、より詳しく考えるために、ここではATピボットを、「ATバンパー」と、「ピボット」の2つのシステムに分けて考えてみましょう。

ATバンパーで立体コースでの復帰率を向上させる

ここ数年、ミニ四駆のコースにはスロープが採用された立体コースが主流です。

そこで問題となるのが、マシンのコース復帰率です。スロープなどでマシンがジャンプしたあと、如何にコースに復帰するかが重要になってきます。

どれだけ速く走っても、着地が上手くいかずにコースアウトしてしまっては意味がありません。

そこで、マシンがジャンプしたあとの着地で復帰率を上げるために、ATバンパーが効果的なのです。

ATバンパーは、バンパー自体が上下に可動するシステムです。そのため、マシンがジャンプしたあと、コース壁に乗り上げてもバンパーが上下に可動することで衝撃を逃し、コースへ復帰する確率を高めます。

これが、ATバンパーが採用される理由の一つです。

なお、ATバンパーのメリットはこれだけではありません。もう一つのメリットであるゼロスラスト移行については、こちらの記事で紹介しています。

ピボットでコースつなぎ目の衝撃を緩和する

タミヤの公式5レーンコースは、JCJCなどの3レーンのコースとそもそもの作りが違います。

素材などの違いはもちろんありますが、違いはそれだけではありません。タミヤの公式5レーンは、各セクションをきっちり繋ぐためのツメがありません。

各セクションは木製の土台で作られており、それ自体に重さがあります。公式大会では、そのセクションを置いて繋げているだけなのです。

さらに、セクションが作られた時期も違い、精度も違います。そのため、セクションどうしを繋ぐときに、完璧に繋がることはなく、多少の段差が生じてしまうのです。

公式大会には小径ローラーより大径ローラーが有利と言われていますが、その理由がこの段差にあるのです。

段差にぶつかると、小径ローラーのほうが大きな衝撃を受けてしまうのです。自転車のタイヤで考えると分かりやすいですが、自転車のタイヤが小さいと、段差を乗り越えるときに衝撃が大きく、タイヤが大きいと衝撃が小さいのと同じです。

公式大会5レーンには、このような段差がいたるところにあります。リジットのマシンでは段差からの衝撃を直接受けてしまい、速度が低下するのです。

そこで、その衝撃を緩和するためにピボットが有利になります。

ピボットならば、コースの段差にぶつかったときも、ローラーが後方に動くため衝撃を逃してくれます。タミヤ公式5レーン特有のコースつなぎ目の段差をスルーするために、ピボットを使うのです。

これが、ピボットが採用される理由の一つです。

ATバンパーとピボットの良いとこ取りなのがATピボット

ATバンパーとピボット、2つの良いところを一つにまとめたのがATピボットです。

近年のタミヤ公式大会のコースを考えれば、ATピボットが如何に効果的なのかが分かると思います。

実際、大会の上位入賞マシンにも多く採用されていることから、その実績はお墨付きです。

もちろん、コースレイアウトによっては、ピボットよりもスライドダンパーが有利ということもあります。実際、デジタルコーナーではピボットよりもスライドダンパーのほうが抜けが速いと言われています。

ミニ四駆の基本である、コースレイアウトに合わせたセッティングが大切なのは言うまでもありませんが、そのセッティングの幅を広げるためにも、色々なギミックを使ってみるのが良いでしょう。

皆さんも是非、ATピボットを作ってみて、その効果を実感してみてください。実際に使うことが、その効果を知るために一番の近道です。

以上、大会上位入賞マシンにATピボットが採用される理由を考察でした。

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