先日、以下のツイートをしました。
速いマシンを作るヒントは走行中のマシンに隠されています。そこで、マシンを走らせているときに見るべきポイントは以下の4つ。
①スロープでのジャンプ姿勢
②ジャンプ後の着地の安定性
③ストレートでのマシンのブレ
④コーナーを抜ける速度この4つに注目しながら、改善点を探っています。
— マスキチ@ミニ四駆改造アカデミー (@Mini4WD_Academy) October 18, 2019
本記事では、ミニ四駆を走らせているときに見るべきポイントを解説します。
これを読めば、あなたのマシンで改善すべき点を見つける方法が分かります。
では、まいります!
目次
走行中のマシンで見るべき4つのポイント
速いミニ四駆を作るには、走行中のマシンをよく見ることが大切です。
でも、そもそもマシンの何を見れば良いのかが、分からない方もいると思います。
そこで、走行中のマシンで見るべきポイントを、以下の4つにまとめました。
- 空中姿勢
- 着地制振性
- 直進安定性
- コーナー速度
普段からこの4つに注目し、マシンがどのような走り方をしているかを研究しています。
この結果を次回に活かすことが、速いマシンを作る上で最も大切なことであることは言うまでもありません。
それぞれ、詳しく解説します。
【見るべきポイント①】空中姿勢
見るべきポイントの1つ目は、空中姿勢です。
立体コースを攻略するための一番の鍵となるのが、スロープなどでマシンがジャンプしているときの空中姿勢。
空中姿勢は、マシンの重心やブレーキの効き具合、コースレイアウトなどの要因で決まります。
理想的な空中姿勢は、コースと平行か、やや前傾姿勢。
着地の際、フロントからコースに入ることが、コースアウトを防ぐために重要なポイントです。
特に、着地後にコーナーがあるようなレイアウトの場合、リヤから着地するとコーナーの進入時にフロントローラーを効かせられず、コースアウトする確率が上がります。
そのため、マシンの空中姿勢は必ずチェックしておきましょう。
ちなみに、コースレイアウトによっては、後ろ下がりの姿勢が良いこともあります。
直近の例で言えば、2018年スプリングのステップサーキット。
ドラゴンバックのあとにストレート1枚を挟んで30度バンクが設置されました。
この大会では、ドラゴンバックで大きくジャンプしたマシンの多くが、バンクに弾かれてコースアウトしていました。
そのままバンクに着地するようなレイアウトのときには、マシンが前傾姿勢だと、フロントがバンクに弾かれてコースアウトしてしまいます。
そのときは、リヤを先に着地させるほうが着地が安定します。
コースアウトを加味して、どのような空中姿勢にすべきかを研究しましょう。
【見るべきポイント②】着地制振性
2つ目のポイントは、ジャンプ後の着地の制振性。
1つ目のポイントである空中姿勢と、大きく関係しています。
ジャンプ後のマシンがコースに復帰するとき、マシンが暴れていないかをチェックしましょう。
着地の衝撃で、マシンは少なからず減速します。
そのとき、制振性が高いマシンはすぐに加速できるのですが、制振性が低いマシンはさらに減速し、加速までに時間がかかります。
レース中に、一見すると着地が安定しているように見えるマシンでも、動画を撮影してスローで確認してみると、意外にもバタついていることが見受けられます。
一瞬のことで、目で追うのはなかなか難しいポイントなので、できれば動画で見返してみることをおすすめします。
着地が暴れているようであれば、マスダンの位置や重さを変えたり、MSフレキの場合はバネに使うグリスの硬さを変えたりして調整してみましょう。
【見るべきポイント③】直進安定性
3つ目のポイントは、ストレートでのマシンのブレ。
ミニ四駆は真っ直ぐ走っているように見えても、実はストレートでも蛇行しています。
ミニ四駆公認競技会規則で決まっているコース幅は115mmですが、マシンの最大幅は105mm。
コース幅とマシンの幅にある10mmの差分だけ、マシンが左右に振られます。
ストレートでマシンがコース壁に当たらないように走ることは流石にできませんが、このときに見るべきポイントは、マシンがコースの片側に寄っていないかということ。
ストレートのどちらか一方のコース壁にマシンが寄りながら走っているときは、要注意です。
多くの場合、左右のタイヤ径のバランスが悪いと、この現象になります。
左右どちらか一方のタイヤ径が小さいと、ストレートでタイヤ径が小さい側にマシンが寄ってしまうのです。
最大の問題は、ジャンプが真っ直ぐ飛ばないこと。
タイヤ径のバランスが悪いままスロープやドラゴンバックに進入したマシンは、ジャンプをする前にコースの端に寄っているので、真っ直ぐジャンプすることができません。
ガチ勢のように、ペラタイヤを作った場合もそうですが、実は純正のタイヤでも同現象が起こり得ます。
純正で無加工のタイヤと言えども、タイヤ径にはバラツキがあります。
そのため、『タイヤを加工していないから直進安定性は大丈夫!』と言うのは大きな間違い。
たとえ純正で無加工のタイヤを使う場合でも、デジタルノギスなどを使ってタイヤ径を測り、同じ径のタイヤで揃えましょう。
たったそれだけでも、マシンが真っ直ぐ飛ぶようになることは良くあります。
例えば、2019ニューイヤーのHEISEI FOREVERサーキットにあった、スロープ登り▶︎バウンシング▶︎スロープ下りのようなレイアウト。
最初のスロープで大きくマシンを飛ばし、トップのバウンシングをそのまま超えて、スロープ下り部分に着地させました。
このような長距離で、且つ落差のあるジャンプをするときに、真っ直ぐ走っているかが大きく影響します。
飛距離が伸びれば伸びるほど、少しのズレが着地でコース壁に乗り上げる原因になります。
ジャンプでしっかりコース内に着地させるためにも、ストレートの直進安定性を確認し、マシンが片側に寄っている場合はタイヤ径を確認してみましょう。
【見るべきポイント④】コーナー速度
最後のポイントは、コーナーを抜ける速度。
コーナーで思ったほど速度が乗ってこないときは、タイヤのグリップや、フロントローラーのスラストを調整することで速度が変わります。
特に、ローラーのスラスト角度がポイント。
スラストがついているマシンとそうでないマシンとでは、コーナーリングスピードが大きく変わります。
スラストを限りなくゼロにすれば、それだけコーナーを速く抜けます。
逆に、スラストが効けば効くほど、コーナーを抜ける速度は遅くなります。
『スラストを抜いたら、コースアウトするんじゃないの?』と思われる方もいるでしょう。
今は、お宝セッティングや2019年限定ルールのローラー個数無制限などでフロントローラーを2段構えにすることができ、コーナーリングを安定させることができます。
そのため、スラストが無くとも単純なコーナーでコースアウトすることは、あまりありません。
唯一、バンクについてはスラストが効いていないと簡単にコースアウトしてしまいます。
バンクやチェンジャーが多数ある場合は、スラストをつけると良いでしょう。
普段から速度負けしてしまうという方は、スラストが効きすぎているということも考えられるので、見直してみましょう。
まとめ
走行中のマシンからは、多くの課題を見つけることができます。
その課題を一つずつ改善していくことが、速いマシンを作るために最も大切なこと。
しかし、見つかるのは課題だけではありません。
多くの学びを見つけることもできます。
特に、公式大会のような場では、自分のマシンだけでなく他の人のマシンがどのような走り方をしているのかを見ることで、新たな発見があります。
空中姿勢はどうか?その姿勢で着地したら速いのか遅いのか。
そこから得た学びを自分のマシンに活かし、さらなるレベルアップを図りましょう。