昨今では、子供の頃にミニ四駆で遊んでいた方々が、大人になってミニ四駆に復帰している光景をよく見かけるようになりました。
昔は、レーサーミニ四駆やスーパーミニ四駆、フルカウルミニ四駆が主流であり、スーパー1シャーシやTZシャーシなどのシャーシを良く使っていたかと思います。
しかし、今はシャーシにもたくさんの種類があり、ミニ四駆に復帰した方は、どれを選べば良いか迷ってしまうのではないでしょうか。
そんな方に、おすすめのシャーシがあります。
それは、MAシャーシです。
MAシャーシは、最新のシャーシの部類に入りますが、シャーシ自体の作りや駆動が良いため、速さも出ますし、なんといっても改造がしやすいことが利点です。
今回は、ミニ四駆に復帰した方へMAシャーシをおすすめする理由を紹介します。
目次
MAシャーシの特徴
MAシャーシは、ミッドシップエアロの略です。
一番の特徴としては、モーターがシャーシの中心に配置されています。
昔のミニ四駆は、基本的にはモーターがリヤに配置されていて、特殊なものでもモーターがフロントに配置されているFMシャーシくらいでした。
しかし、時代とともにミニ四駆は大きく進化していて、モーターが中心に配置されている新しいシャーシが誕生しました。
モーター自体も、昔はピニオンギヤは片方にだけ取り付けている片軸モーターでしたが、モーターが中心にあるシャーシでは、モーターの両側に軸が出ていて、両側にピニオンギヤを取り付ける両軸モーターになります。
モーターがシャーシの中心に配置された初めてのシャーシはMSシャーシで、このシャーシはフロントユニット、センターユニット、リヤユニットと、シャーシが3分割できるものでした。
このMSシャーシも、最近の公式大会ではとても主流ですが、フレキシブル改造というかなり特殊な改造が求められます。
そのMSシャーシを更にグレードアップしたものがMAシャーシです。
MAシャーシはMSシャーシのように分割ができませんが、その分、シャーシの剛性が向上しており、素組みでも速いと評判です。
特に、以下の点がMAシャーシの評判が高い理由です。
- 素組みでも速い
- 改造しやすい
- 駆動を調整しやすい
では、これらの利点について細かくみていきましょう。
素組みでも速い
素組みとは、マシンを説明書どおりに組み立てることです。
ミニ四駆の醍醐味は改造することであり、最終的には説明書どおりの改造で終わることはありませんが、この素組みの速さというのはとても重要です。
なぜなら、素組みで速いというのは、マシンの基本スピードが速いということです。
ミニ四駆のスピードは、根本的にはモーターと電池で決まります。
そこから、駆動のロスでスピードが落ち、その後に取り付けたパーツでスピードを犠牲にして安定性を向上させます。
その、モーターと電池で決まるスピードの次に影響する駆動のロスが、ほかのシャーシに比べてMAシャーシでは少なくなっています。
駆動ロスについては、ミニ四駆にハマっていけばすぐにたどり着く問題ではありますが、最初はなんのことだか分からないと思います。
簡単に言えば、駆動ロスとは、ギヤの噛み合わせやギヤの位置、シャーシとの抵抗のことです。
ミニ四駆を突き詰めていくと、ミニ四駆の基本スピードを決めるうえでとても重要な部分ですが、この調整がとても難しいのです。
ギヤの左右のブレを抑えるためにパーツを取り付けたり、シャーシを削ったりして駆動を調整していきますが、初めての改造では敷居が高すぎます。
その駆動の調整がほとんどいらないのが、MAシャーシの利点です。
もちろん、突き詰めていけばMAシャーシでも駆動の調整が必要ですが、前述のとおり、ほかのシャーシに比べてMAシャーシは駆動のロスが少ないです。
マシンの基本性能が高いため、初めは駆動を気にせずに速いマシンを組み立てられるのです。
改造しやすい
最近のミニ四駆を見ていただくとすぐに分かるのですが、フロントのバンパーにFRPやカーボンプレートを使用しているマシンが多いと思います。
これはバンパーレスといって、シャーシ元々のバンパーをあえて切断し、そこにFRPやカーボンプレートを取り付けることで、剛性の強化と軽量化を図ることです。
このバンパーレスが昨今の改造の主流で、MAシャーシでも簡単にバンパーレスにすることはできますが、実はMAシャーシはバンパーレスにしなくても、そこそこ速いマシンが作れます。
むしろ、速いマシンを作るならば初めのうちはバンパーレスにせず、既存のシャーシのままでグレードアップパーツを取り付けて、それぞれのパーツでどのような効果を得られるかを知ることが大切です。
初めのうちは既存のシャーシのまま使うことをおすすめしますが、そのためにもMAシャーシがベストです。
MAシャーシならば、バンパーレスなどをせずに、パーツを説明書どおりに取り付けただけでも、必ず速いマシンが組めます。
まずは既存のシャーシのまま、説明書どおりにパーツを取り付け、パーツの性能を理解してみてください。
そして、MAシャーシがおすすめなのは、その後にバンパーレスなどの改造をする際にも、とても改造しやすい点にあります。
MAシャーシは、すでに多くの改造方法が試されていますが、バンパーレスにすること自体は、カッターのこという工具があれば、とても簡単にできます。
カッターのこでバンパーレスすれば、ほんの数分で完成します。
なぜここまでMAシャーシをおすすめするかと言えば、基本のシャーシで改造を覚えるにも、基本性能が高いためとても良く、その後にレーサーとしてのレベルが上がり、より高度な改造をする際にも、簡単にできるからです。
初めて買ったマシンを、高度な改造をするときに手放すのはもったいないです。しかし、MAシャーシならば、そのまま高度な改造にも挑戦できます。
これが、MAシャーシの改造のしやすさに繋がります。
駆動を調整しやすい
前述のとおり、ミニ四駆で特に重要な点である駆動ですが、MAシャーシはとても性能が良いです。
ミニ四駆はギヤの位置出しという、駆動の調整を行うことが一般的ですが、片軸モーターのシャーシでは、ギヤの位置出しをする際にプロペラシャフトの調整がかなり難しいです。
しかし、MAシャーシは両軸モーターを採用していることで、そもそもの駆動効率が良く、ギヤの調整も片軸シャーシに比べて容易に出来ます。
その中でも、駆動についてあえて少し紹介すると、MAシャーシにおけるギヤ出しで一番重要なものは、カウンターギヤです。
マシンを組んでもらうとすぐ分かるのですが、MAシャーシでは、カウンターギヤとカウンターシャフトに余計な遊びがあることが、異音の主な原因となります。
このカウンターギヤとカウンターシャフトの遊びを如何に無くせるかが、鍵となります。
しかし、そこまで気にしなくても、基本性能としてはとても高いシャーシですので、ますばそのままの作りで走らせて、それからどのようなことが駆動のロスに繋がっているかを考えてみてください。
まとめ
- MAシャーシは素組みでも速い
- 改造しやすく、将来的には高度な改造にも挑戦できる
- 基本性能が高く、駆動を調整しやすい
ミニ四駆はやればやるほど、改造に高度な技術が必要となりますが、まずは基本の性能を知ることが一番大切です。
シャーシの性能やパーツの性能をひとつずつ確かめ、どのような効果があるのか、どうすれば速くなるのかを知る必要があります。
そこから段階を踏んで、高度な改造に挑戦していってみてください。
実際に、バンパーレスなどをしていないMAシャーシで、レースで勝っているマシンも見かけます。
高度な改造をしたいのは良く分かりますが、まずは慌てずに基本をしっかり学びながら、レーサーとしてのレベルを上げていってみてください。