最近のミニ四駆では、多くのマシンがペラタイヤを履いています。
ペラタイヤは見た目が格好良く、如何にも速そうな雰囲気があります。しかし、なぜ、皆がペラタイヤを使うのでしょうか。
単に見た目の良さ以外にも、ペラタイヤを使うことによるメリットがあります。
今回は、ペラタイヤの本質について考察します。
目次
ペラタイヤとは
ペラタイヤとは、ミニ四駆のタイヤを削って薄くしたタイヤのことです。
タイヤを薄くすることで得られるメリットは、2つあります。
- タイヤの軽量化
- ジャンプによる着地時の反発の緩和
逆に、ペラタイヤでのデメリットは以下のとおりです。
- 精度を出すのが難しい
これらのメリット、デメリットについて詳しく見ていきます。
ペラタイヤのメリット
ペラタイヤのメリットは以下の通りです。
- タイヤの軽量化
- 直径を変えずにタイヤを軽量化できる
- ジャンプによる着地時の衝撃の緩和
それぞれ、詳しく解説します。
タイヤの軽量化
ペラタイヤでは、タイヤの大部分を削っているため、かなりの軽量化になります。
実際に測ってみると、ノーマルローハイトタイヤは1つで約2g、ローハイトタイヤから作ったペラタイヤは約1gでした。
これがタイヤ4つ分だと、ノーマルローハイトタイヤで約8g、ペラタイヤでは約4gと、半分の差があります。
これだけで、かなりの軽量化になります。
直径を変えずにタイヤを軽量化できる
単にタイヤを削るだけでも良いのですが、タイヤを削るとタイヤの直径が小さくなってしまいます。しかし、タイヤの直径を変えたくない場合でも、ペラタイヤが効果的です。
例えば、通常のローハイトホイールにローハイトタイヤを装着した場合、約26mmの直径になります。
これと同様に、直径を変えずに軽量化する方法があります。それは、大径ホイールにペラタイヤを装着することです。
ペラタイヤの厚さを約1mmくらいにすることで、大径ホイールに履いた場合でも直径は約26mmと、通常のローハイトと変わりません。
ホイール径を大きくして薄いタイヤを履くため、直径は変わりません。そのうえ、重さの大部分を占めるタイヤを削っているため、同じサイズのタイヤよりも軽量化が図れます。
これだけでも、ペラタイヤにはかなりの効果があると言えますが、もう1つ、大きなメリットがあります。
ジャンプによる着地時の反発の緩和
ペラタイヤのメリット2点目は、着地時の反発の緩和です。
通常のタイヤだと着地時のタイヤの反発が大きいため、着地時にマシンが跳ね上がります。なぜなら、着地時の衝撃に対して、タイヤの中に反発力が生まれるからです。
これをペラタイヤにすることで、着地時の反発が小さくなり、マシンの跳ね上がりを抑えられます。
反発力はタイヤの厚みに比例します。タイヤが厚ければ反発力も大きく、逆にタイヤが薄ければ、反発力は小さくなります。
ペラタイヤは極薄タイヤのため、反発力はより小さくなり、着地時の跳ね上がりを抑えられます。これが、ペラタイヤの2つ目のメリットです。
マシンの跳ね上がりが抑えられると、着地後にタイヤ4つがしっかりとコースにグリップします。すると、着地後の再加速にロスが無く、スムーズに加速します。
立体コースでは、スロープやドラゴンバックなど、ミニ四駆がジャンプする場面が多くあります。そこでは、ジャンプの姿勢を安定させることや、低く飛ばすことを目的に、ミニ四駆にブレーキを付けます。
すると、ミニ四駆は以下の挙動を繰り返しています。
スロープ(ブレーキで減速)→着地(バタついて減速)→再加速
ジャンプ後の着地時にロスを抑えて、再加速までを如何にスムーズに出来るかが、立体コースで勝つために必要な条件の1つとなります。
この条件をクリアするためにも、ペラタイヤがとても効果的であると言えます。
ペラタイヤのデメリット
ペラタイヤのデメリットは、「作成時の精度を出すことが難しい」ということです。
ペラタイヤの作成ですが、以下の2つの方法があります。
- タイヤセッター
- ワークマシン
タイヤセッターを使ったほうが、タイヤをブレることなく回転させらるため、高精度なペラタイヤを作成出来ます。しかし、タイヤセッター自体が高額であるため、初期投資が必要になります。
それに対し、ワークマシンの場合は、使っていないマシンとパーツで削る環境を作れます。そのため、低コストでペラタイヤを作成出来ます。
しかし、ワークマシンでは、タイヤをブレなく回すことが難しく、かつ剃刀やヤスリで削るため、精度を上げることが難しいです。
ペラタイヤには、削ったときの「厚さ」の精度が求められます。
「厚さ」は、タイヤ4本を揃えることが重要です。
各タイヤの厚みが違うと、ミニ四駆を置いたときに4輪がコースに付かなく、タイヤが3つしかコースに設置しない「三点設置」となることもあります。
併せて、タイヤの外側、中側で同じ厚さにすることが重要です。これは、コースに置いたときのグリップ力に影響します。
外側、中側で厚さが変わると、オフセットタイヤのような形になります。すると、厚さがある点でしかタイヤがコースに設置しないため、その1点でしかグリップが効いていないということになってしまいます。
これらのことからも、ペラタイヤを削るときにタイヤの厚さを揃えることは、とても重要になります。
まとめ
- タイヤを軽量化出来る。
- ジャンプの着地で跳ね上がりにくい。
- ペラタイヤの厚さを揃えることが重要。
ペラタイヤにするだけで、見た目が格好良くなるうえ、速度も向上します。さらに、ペラタイヤを半分に切ったハーフタイヤにすれば、見た目のイメージとタイヤのグリップ力も調整出来ます。
ペラタイヤには精度が重要だと書きましたが、ワークマシンでも、それなりの精度で作成出来ます。しかも、慣れればタイヤ1本につき10分くらいで作成出来ます。
精度は回数をこなせば向上するので、興味のある方は、まずは作ってみることが大切です。格好良いペラタイヤを作って、最速マシンを目指しましょう!
併せて読みたい→ハーフタイヤのメリットとデメリットについて